ログハウスってどんな家?種類と特徴を紹介します

山の中や別荘地やキャンプ場だけでなく、最近では街中でもよく見られるようになったログハウス。
太い丸太で出来たログハウスはどっしりと重みがあり、格好よく見えますよね。出来ればそんな家に住んでみたいと考えている人もいるのではないでしょうか?
ですが、ログハウスについて良く分かっていないという人もいることでしょう。そこで、ここではログハウスの種類について解説するとともに、ログハウスの特徴についても解説していきます。

ログハウスとは

ログハウスとは、その名の通り丸太で出来た家のことです。
ログハウスを英語で書くと「Log House」となり、「Log」は丸太のことです。英語圏では、「Log home」や「Log cabin」とも呼ばれています。因みに、木を伐採することは「Logging」と言います。
つまり、ログハウスとは丸太を伐採し、組み上げて造られた家のことなのです。
 

ログハウスの種類

ログハウスと言っても、実はいろいろな種類があります。
 

マシンカット

マシンカットと呼ばれるログハウスは、主にフィンランドに見られるタイプのログハウスで、その名の通り、機械で加工した木材を使用して造られたログハウスのことです。
加工された木材の形状によって、

  • 角ログ
  • 丸ログ
  • Dログ

などがあります。
TALOでは、このマシンカットを取り扱っています。

マシンカットログハウス

 

ハンドカット

ログハウス=丸太小屋というイメージを持っている方も多いと思いますが、丸太の家はいわゆるハンドカットログのこと。
ハンドカットログは、切り出した木の皮を手作業で剥ぎ取り、枝を切り落としただけの材木を乾燥させ、組み上げて造られたログハウスのこと。
主にカナダやアメリカで見られる、重厚感のあるログハウスです。
ハンドカットログハウス

 

一般的な木造住宅の違い

日本国内に古くからある木造住宅との違いは、木材の組み方にあります。
在来工法と呼ばれる日本住宅は角材に加工された木材を使い、土台を組み、土台の上に柱を立て、柱の上に梁をのせて造られます。
壁には別の材料を使うことで、木材の使用量を抑えています。
ログハウスは木材を全て横向きにして組み上げているので、ログ材そのものが壁であり構造体です。そのため、一般的な木造住宅に比べ、圧倒的に木材の使用量が多くなります。

 

実例集実例集

 

ログハウスの特徴

材料が殆ど木材と言うログハウスには、どのような特徴があるのでしょうか?
 

断熱性と蓄熱性に優れている

木は断熱性に優れ、熱伝導率が低いことで知られています。また一度暖まると冷めにくいという蓄熱性にも優れています。
壁面によく使用される、コンクリートや高性能グラスウールとログ材で、熱伝導率などを比較してみました。

ログ材の熱伝導率比較
※熱伝導率:熱の伝えやすさ。値が小さいほど性能が高い。
※容積比熱:物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量。値が大きいほど温めにくく冷めにくい。
※熱拡散率:熱の温度変化の速度。値が小さいほど温度変化しにくい。

熱伝導率は値が低いほど熱を通しにくいので、高性能グラスウールが、圧倒的に断熱性能が高いように思われます。
ですが、容積比熱を見ると高性能グラスウールは熱を材の中に溜めることが出来ないことも分かります。
この値からコンクリートが圧倒的に熱を保持しやすいことが分かるのですが、熱拡散率を見るとコンクリートは溜めた熱を直ぐに放出していることも分かります。
一方で、ログ材はコンクリートよりは容積比熱が劣るものの、熱拡散率では圧倒的に優れていることが分かります。
熱伝導率が低く断熱性能に優れていても、容積比熱や熱拡散率などの性能が低ければ、蓄熱性能としてはそれほど優れているとは言えないのです。
以上のことからログ材は、熱伝導率は高性能グラスウールに比べ劣ってはいるものの、容積比熱と熱拡散率が優れていることから、断熱性と蓄熱性を兼ね備えていると判断できます。
 

調湿性が高い

快適な住環境を整えるためには、室内の湿度調節も大切です。
木には高い湿度の中では空気中の水分を取り込み、乾燥した環境では木の中の水分を放出する性質を持っているのです。
多くの木材を使って造られたログハウスは、高い調湿性を持ち、快適な住環境を整えてくれます。
結露した窓

 

耐火性が高い

木だけで出来ているログハウスは火災に弱く、直ぐに焼失するのではないかと思われがちですが、太い木材は燃えにくく、ログが簡単に燃え落ちることはありません。
ログ材の耐火テスト
丸太や厚みのある木材は、一気に燃え上がるのではなく表面が炭化し、時間をかけて燃えていきます。そのため、厚みのあるログが芯まで燃えるには非常に時間がかかります。さらに、新建材のように燃えても有毒ガスが発生しないので安心です。
炭化したログ材

 

耐久性が高い

木は自然素材ですので、それほど耐久性はないと思われがちです。
ですが、例えば1990年に世界遺産登録されたロシアのプレオブラジェンスカヤ聖堂は、16世紀に建てられた木造の聖堂です。落雷によって一度焼失し、1714年に再建されていますが、今でも現役の聖堂です。

また、日本にも8世紀頃に建造されたログハウスがあります。校倉造とも呼ばれる構造が有名な正倉院です。実に1200年以上も朽ちることなく残っています。

以上のことからも、ログハウスは非常に耐久性の高い建物であることが分かります。

正倉院

 

自然素材でリラックス効果

森や林など、木が多く生えている場所に行くことを森林浴と言い、森林浴によってリラックスできます。
これは、木が発散しているフィトンチッドという物質が関係しています。フィトンチッドには自律神経を安定させる効果が分かっており、森林の中にいるだけで自然のアロマテラピーを受けることが出来るのです。
また、木の年輪や木目は自然が作り出した美しい曲線美の集合体で、これら自然造形も人をリラックスさせる効果を持っています。
自然の中で心地良いと感じるものはすべて「1/fのゆらぎ」を持っており、人に安堵感を与える効果を持っているのです。
 

定期的なメンテナンスが必要

ログハウスは耐久性の高い建物だと先ほどご説明しました。
ですが、その耐久性を高めるためには定期的なメンテナンスが必要です。
例えば、外壁塗装。ログハウスに限らず多くの住宅では耐久性を保つために定期的な再塗装を行います。
ログハウスのメンテナンス

 

セトリングが起きる

時間経過によってログ材が乾燥収縮し、ログ材自体の重みによってログ壁全体が下がります。これがセトリングです。
ログハウスには、セトリングに対応するために、ログエンドに通しボルトがあったり、建具の上にセトリングスペースと言う隙間があったり、柱にジャッキボルトという金具を取り付けたりします。
 

防火規制がある

ログハウスは木造住宅のため、防火地域や準防火地域、22・23条地域では、延焼の恐れがある部分は燃えにくい素材を使うなどの防火規制があります。
ですが、TALOのように防耐火認定を取得したログ材で、建築基準を満たせば、ログ壁のまま建設が可能です。
 

間取りが制限される場合がある

現在の建築基準法や丸太組構法に関する法律によれば、構造計算を行うことでノッチからノッチまでが10m以下で、囲われた範囲が60平米以下であれば、広く間取りをとることも可能です。
TALOでは構造や法律上不可能な場合を除き、お客様のご要望にそった自由設計のログハウスを実現します。

自由設計に関しましては「TALOの自由設計」をご覧ください。
 

まとめ

ログハウスは、防火地域などに建てる際には制限があったり、定期的な手入れが必要だったりといった特徴もありますが、これらの特徴については一般的な木造住宅でも同じです。
一方で、断熱性能が高く、耐久性・耐火性に優れ、リラックス効果もあるといった特徴もあります。
これらの特徴を正しく理解していれば、快適な住環境を手に入れることが出来ます。



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