印象も大きく変わるログハウスの構造について

印象も大きく変わるログハウスの構造について

山やキャンプ場で見かけることのあるログハウスですが、どんな構造をしているのか、どんな種類があるのか、一般的な木造住宅と何が違うのかなど、疑問を持っている人もいるでしょう。
そこで、ここではログハウスの構造や種類、一般的な木造住宅との違いについて解説します。
 

ログハウスとは

ログハウスとは、丸太や製材されたログを水平に積み上げて造られた建物のことで、主に北欧やロシア、北米などの寒い地域に見られる建築構造です。
日本では、奈良の正倉院が日本最古のログハウスとして有名ですが、本格的な建築が推し進められたのは明治時代に北海道開拓がはじまってからと言われています。
 

ログハウスの構造

ログハウスには、以下の様な構法で分類できます。

  • 丸太組構法
  • ポスト&ビーム構法
  • ピース・エン・ピース構法

 

丸太組構法

ログハウスと聞いて真っ先に思い浮かべるのが、この丸太組構法の建物でしょう。
丸太組構法とは、ログと呼ばれる木材を水平に積み上げていく構法のこと。壁式構造であるログハウスは、積み上げたログ壁自体が耐力壁なのです。
ログを積み上げた時にずれないように、実(さね)加工を施したり、ダボ(木材などを接合するための材)などでログとログをつないだりして、壁面を作り上げています。
また、ログ材が直角に交差する部分にはノッチ加工を施して、ログが隙間なく積みあがるようにしています。
平屋のログハウス

 

ポスト&ビーム(Post And Beam)構法

ポストは柱を、ビームが梁を意味する英語で、ポスト&ビーム構法は、柱と梁に丸太を使用した軸組構法の一種です。主にスイスやフランスで発達しました。
壁面は柱と柱の間に板を入れて仕上げています。使用用途や規模によって、厚みのある板を入れただけだったり、漆喰などで仕上げたりします。難燃材も使用できる事から、比較的街中でも建てやすい建物です。
また、ポスト&ビームは日本の在来工法と同じ工法の為、間取りの自由度が高いといった特徴があります。
ちなみに、ヨーロッパにはティンバーフレーム工法という柱や梁に角材を使用する建物構造もあります。
ポスト&ビーム

 

ピース・エン・ピース(Piece-en-piece)構法

ピース・エン・ピースはフランス語で「短い材の間に短い材を入れる」という意味で、ピース・エン・ピース構法は、柱と柱の間に短くカットしたログを水平に積み上げて壁を作っていく構法です。主にカナダで見かける建物構造です。
壁面に短いログを使用していることから、材料調達が簡単で、丸太組構法のように長いログ材を調達する必要がないというメリットがあります。
短くカットしたログを使用していることから、ポスト&ビーム構法よりも丸太組構法に近い仕上がりとなります。

 

実例集実例集

 

一般的な木造住宅の構造

ここからは、それぞれの場所に応じたメンテナンス方法についてご説明します。
 

木造軸組構法(在来工法)

日本でよくみられる一般的な木造住宅は、水平方向に置いた土台の上に柱を立て、その上に水平に梁を渡した構造体を造る軸組構法、いわゆる在来工法です。
壁面は古い家なら土壁ですが、昨今は構造用合板などを柱に張り付けて造ります。
 

2×4(ツーバイフォー)工法

輸入住宅で使用されている「2×4工法」は、2インチ×4インチを中心とした木材で枠組みを作り、そこに板を貼って壁や床を作り上げる工法で、「枠組壁工法」とも呼ばれています。
主に使用される木材サイズが2インチ×4インチのため「2×4工法」と呼ばれていますが、使用する場所や構造によって、2×6や2×10などの角材も使用されます。
木造軸組構法は、柱や梁、筋交いなどの線で支える構造なのに対し、2×4工法は、床や壁などの面で支える構造です。
 

一般的な木造住宅とログハウスの違い

一般的な木造住宅は軸組構法で、丸太組構法とは違った構造をしています。
工法ごとにそれぞれ特徴やメリット・デメリットはありますが、やはり自然素材である木材の使用量はログハウスが圧倒的です。
 

ログの種類による分類

一般的な木造住宅は軸組構法で、丸太組構法とは違った構造をしています。
工法ごとにそれぞれ特徴やメリット・デメリットはありますが、やはり自然素材である木材の使用量はログハウスが圧倒的です。
 

マシンカットログ

 

角ログ

断面が縦長の長方形に加工されたログで、外観・内観どちらもフラットな仕上がりとなります。
内壁がフラットなため、家具の配置などに困ることがなく、生活がしやすいことから人気の高いログの1つです。
また角ログの中にも、ログの外側同士を張り合わせたラミネートログ、無垢材をそのまま加工した無垢ログがあります。
角ログのログハウス

 

Dログ

断面がD型となる様に加工されたログで、外観は丸太を積み上げたような仕上がりになり、内観は板張りの様な仕上がりになります。
角ログ同様、内壁がフラットなため家具の配置がしやすく生活がしやすいという特徴と、外観が角ログよりもログハウスらしい仕上がりとなります。
Dログのログハウス

 

丸ログ

丸ログは、断面が丸くなるように木材を加工して造られたマシンカットログの1種です。
ハンドカットログの様な外観となりますが、マシンカットログですので、丸太の直径は一定となり、ハンドカットログで造られたログハウスよりも均整の取れたログハウスとなります。
丸ログのログハウス

 

ハンドカットログ

ハンドカットログは、伐採した木の枝を落とし、木の皮を剥ぎ取り、チェンソーや斧を使ってノッチ加工などを行って造られたログ材のことです。
自然の木の皮をはいだだけの原木に近いログ材なので、ダイナミックな印象ですが、マシンカットログに比べると一般的に高価になります。
また、マシンカットログの様に機械乾燥ではなく、ほとんどが自然乾燥のため、ログハウス完成後のセトリングが大きい傾向にあります。
ハンドカットログのログハウス

 

木材の種類

ログハウスで使用される木材は、ログハウスメーカーによって産地に違いがあります。主な輸入国としては、カナダやフィンランドがあり、国産材を使用しているメーカーもあります。
 

フィンランド産

TALOをはじめとして、多くのログハウスメーカーではフィンランド産のノルディックパイン(欧州赤松)を輸入して使用しています。
主に北欧に多く生えているヨーロッパを代表する樹種で、高い樹齢としっかりとした年輪が特徴です。また、曲がらずにまっすぐに育ったノルディックパインは加工がしやすく耐久性に優れています。
TALOでもフィンランドの工場で加工されたラミネートログや角ログ、Dログを輸入しています。
フィンランド産ログのログハウス

 

国産

国産杉ログハウス

杉ログハウス
国産檜ログハウス

檜ログハウス

ログハウスに使用される国産材には、

  • 唐松

などがあります。
杉は針葉樹の中では軽く柔らかい特徴を持っているため加工がしやすく、調湿性能に優れ、収縮による狂いも少ないことから、一般的な木造住宅でもよく使われる木材です。
檜は独特の香りと、鉋掛けした後の光沢が特徴的な木材で、耐水性・耐久性・加工性に優れた高級材です。和室などの柱や風呂、腰板など、主に仕上げ材として使用されています。
唐松は成長の早さから流通しやすく、安価に取引される木材です。赤みを帯びた暖かな色と高い耐久性、防虫効果が特徴的な木材です。
TALOでは国産の良質な杉や檜を国内工場で乾燥させ、角ログに加工しています。
 

ログハウスにも混構造がある?

現在の建築基準法では、条件さえ整っていれば2階建てのログハウスも認められており、2階部分を在来工法や2×4工法で総2階建てにしたり、1階部分を鉄筋コンクリート造にしてその上に小屋裏利用のログハウスを建てたりすることも出来ます。
ですが、せっかくログハウスを建てるなら、混構造ではなく2階まですべてログにこだわりたいところ。

そこでTALOでは、創業以来一貫して「総ログ®」という、2階の桁部分までログを積み上げた2階建てのプランにこだわっています。2階や妻壁部分もログを積み上げて造っているため、ログハウスの特長である耐震性能、蓄熱性能、耐火性能、調湿性能をより十分に発揮することができます。

総ログのログハウス

 

まとめ

この記事ではログハウスの構造についてご紹介しました。
ログハウスは、使用するログの形状や構法、材料によって、見た目にも大きな特徴が出ます。
TALOではフィンランドパインや国産杉、檜から角ログ、Dログ等豊富なバリエーションからログをお選びいただけます。材料やログの組み合わせにこだわってご自身の理想のログハウスを実現してくださいね。



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