ログハウスは断熱性が高い?暖かい理由を解説

ログハウスはフィンランドやカナダ、ロシアなど、雪が多く寒い地域で発展した建物です。そのためなのか、ログハウスは暖かいというイメージがあります。
そこで、ここではログハウスの断熱性能や暖かい理由について解説していきます。

 

ログハウスの断熱性

ログハウスの壁面にふんだんに使用される木材は、蓄熱性が高く熱伝導率が低いという特徴を持っており、一度温まると冷めにくい素材です。
熱伝導率は、熱の伝わりやすさを表すもので、数字が小さい程高い性能をもっています。
住宅の壁面に使用される素材である、グラスウールやコンクリート、木材の中ではグラスウールが最も高い性能を持っており、次に木材が優れています。
一方で、グラスウールは断熱性が高いものの、容積比熱が低く、その熱を素材の中に溜めにくいという特性があります。容積比熱はコンクリートが最も高く、次に木材が高くなっています。
ただしコンクリートは、温度変化のしやすさを表す熱拡散率が高く、溜めた熱をすぐに放出してしまう特徴があります。
木材はこれらの熱伝導率と容積比熱、熱拡散率のバランスが非常に良く、断熱性と合わせて蓄熱性にも優れた素材なのです。

断熱性

 
ログ材の熱伝導率比較
※熱伝導率:熱の伝えやすさ。値が小さいほど性能が高い。
※容積比熱:物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量。値が大きいほど温めにくく冷めにくい。
※熱拡散率:熱の温度変化の速度。値が小さいほど温度変化しにくい。

ログハウスの調湿性

木材には、湿度が高い時には空気中の水分を吸収し、空気が乾燥している時には木材の中にある水分を放出する、調湿機能があります。
ログハウスは調湿機能を持つ木材をふんだんに使って造られています。そのため、夏や梅雨時のジメジメとした湿度の高い日でも、ログハウスの中はログによって調湿され、快適な室内環境が整えられているのです。

結露した窓

調湿性については、奈良の正倉院がその性能の高さを証明しています。
正倉院に納められた宝物の多くは今日まで美しいまま残っています。理由は諸説ありますが、正倉院が木材だけで造られたことで、湿気の影響を受けなかったためと言われています。カビが生えるどころか、腐食もないのですから、ログハウスの調湿性能がいかに高いのか、良く分かりますね。

 

ログハウスにも断熱材を使用する?

ログ自体が優れた断熱性能を持っているため、一見断熱材を使用しなくてもいいように思えます。
ですが、床や屋根にはログ材を使用していませんので、断熱材が必要となります。
床の断熱材は地面からの冷気の影響を受けないようにする効果があり、断熱材が入っていないと冬に床から冷気が入り込んできます。折角暖房で室内を暖めても床から冷えていきますから、いつまでたっても寒い部屋のままとなります。
断熱材

また、屋根の断熱材は太陽光の影響を遮断するためのもので、断熱材が入っていないと、夏は屋根に太陽光が当たることで小屋裏に熱がこもりやすくなってしまいます。
そのため、多くのログハウスメーカーではグラスファイバーなどの断熱材を床や屋根に入れることで、外気温を遮断しています。
 

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ログハウスと相性抜群!薪ストーブの効果

ログハウスの展示場に行くと、薪ストーブがリビングにおいてあり、薪が赤々と燃えるさまを眺めることも出来ます。
実際に使われている薪ストーブを見た人の多くが、自分のログハウスにも薪ストーブが欲しいと考える方が多いようです。
そこで、ここからは薪ストーブについて解説していきます。

まず薪ストーブには構造によって、

  • 輻射式
  • 対流式
  • 開放式
    •  

      といった種類に分類できます。
      この中で、一般的に使用されているのが、輻射式と対流式です。

 

輻射式

輻射式の薪ストーブは、密閉された燃焼室で薪を燃やし、その燃焼によって発した熱でストーブ本体を温めます。ストーブ本体の外壁が温まることで、ストーブ表面に接する空気を直接温めるため、ストーブから放熱される暖かさを、肌に直接感じられます。
ちなみに、ストーブ表面の温度は200℃~300℃にまで上昇するため、一瞬触れるだけでも火傷してしまうので注意が必要です。
輻射式は、薪ストーブ本体が温まるのが対流式より比較的速く、直接的な暖かさが特徴です。

 

対流式

対流式の薪ストーブは、ストーブ本体の外壁に空気の流通層を設け、下部より冷たい空気を吸い込み、上部から暖まった空気を放出します。ストーブの側面・後壁・天板が二重構造になっているため、比較的高温になりにくく、輻射式よりも壁や家具などに近づけて設置することが可能です。
対流式は、輻射式と比べると、暖かいと感じるまでに多少時間がかかりますが、間接的なやわらかい暖かさを感じられます。
また、輻射式と対流式の長所を取り入れた、複合式もあります。

 

エアコンやファンヒーターとの違い

エアコンやファンヒーターは冷たい空気を取り込んで暖め、吹き出し口から暖かい空気を吹き出すことで空気の対流を起こし、部屋を暖めていきます。この構造は対流式薪ストーブと同じです。
ただ、薪ストーブに比べ、エアコンやファンヒーターは立ち上がりが速く、直ぐに暖かい空気が吹き出てくるというメリットがありますが、部屋全体を暖めるには時間がかかります。
また、エアコンは室内上部に設置されているため、吹き出し口を下方に向けても暖かい空気は床に届く前に上昇し、室内上部に溜まってしまます。そのため、エアコンを使った場合、天井近くは暑くても、床部分がいつまでたっても寒いというデメリットもあります。
その点、薪ストーブは床に置かれており、対流式薪ストーブでも輻射熱があるため、床までしっかり温めてくれます。薪ストーブユーザーの中には、冬でも裸足という人もいるほどです。
次に乾燥と言う点で比較してみましょう。
エアコンやファンヒーター、薪ストーブのいずれも空気が乾燥するというデメリットがありますが、薪ストーブの場合、石油ストーブの様に天板にやかんや鍋を置いてお湯を沸かすことが出来ますので、乾燥対策ができます。
以上のことから、夏は冷房のあるエアコンを使い、冬は薪ストーブを楽しむログハウスオーナーが多いようです。
また、薪ストーブは電気もガスも必要としないため、万が一停電などになってしまったときのために、薪ストーブを選ぶ方が増えているそうです。

 

まとめ

ログハウスは、使用するログ自体が優れた断熱性能と蓄熱性能を持っているため、ログそのものが断熱材の役割を果たしています。また、調湿性もあるため、ジメジメとした梅雨でも蒸し暑い夏でも、快適な室内環境を整えてくれます。
また、薪ストーブの輻射熱によって室内を暖めることが出来るため、冬は薄着でも快適に過ごせる室温を保てます。



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